たっくんプロジェクト たっくんのこと
たっくんのこと
たっくんの好きなものは、あお(車もあおって呼んでます)、牛乳、コーラ、マクドナルド、牛タン、マヨネーズ、ママ、イオン、アピタ、らくださん(デイサービス)。車は昔から好きでボルボとかアウディとか言います。
小さい子供にあったら「かわいい」って言ったり、赤ちゃんが寝ていると指を立てて「しー」ってやったり。
難聴も進んで言葉がはっきり聞こえない事も多いですが、誰かに会えば「こんにちは!」お店の人を呼ぶ時は「すいません!」なんて言ったりします。
誰よりも優しく気配りができる男の子です。
XPとわかったきっかけ
たっくんが1歳の時、鼻にできたそばかすを疑って皮膚科に行ったものの、初回はただのそばかすと診断。
他の病院の医師により「詳しく調べたほうが良い」と医大の紹介状を持参し検査して。
「色素性乾皮症XP)と診断されました。1歳半でした。
XPとわかってから
今まで気にもした事がなかった「紫外線」について調べ、どうしたら避けることができるのか、測れるものなのか、そしてこの病気についても調べましたが、当時はインターネットでもあまり情報がなく、家族会を通じていろいろ教えていただきました。
紫外線を完全に避けなくては生きていけないので、家中の窓ガラスに主治医が認めたJIS規格の窓ガラスフィルムを貼りました。
その時に業者さんが使用していた測定器を初めてみて存在を知り、同じものを探しメーカーさんとやり取りをして購入をしました。
また、XPのお子さんの本を出されたお父さんに会いに仙台へフェリーに乗って会いに行き、紫外線対策などの工夫を伺いました。お母さんが防護服を手作りされるなどパワフルなご両親に刺激された事を覚えています。
学校のこと
保育園、小学校、そして特別支援学校の中等部、高等部へ通い、現在(2024年)は高等部2年生17歳です。
保育園と小学校は通常の教育機関で加配*の先生をつけていただいたり、小学校は特別支援学級でおせわになりました。
保育園から現在通う学校まで全て紫外線カットフィルムを貼っていただいています。
* 加配とは? 障がいのある子どもや集団生活にあたり困りごとを抱える子どもをサポートするため、通常の職員数に加えて先生を配置すること
フィルムを学校の窓に貼っていただく際、管轄の市町に予算建てして頂かなくてはならないので2年前から声掛けをさせて頂きました。
早め早めに動かないと受け入れる側も知らない病気なので進学までに間に合わないリスクもあると思います。
日々、感じること
成長すると多くのお子さんは手が離れますが、この病気は逆に手をかけてあげなくてはいけない難病です。
昔話せたり歩けていても、介助が必要になってきています。でも出来ないことが増えても心の成長や温かみは表情からも感じられます。
日常に追われていると小さな幸せに気づきにくいものです。寄り添う側の余裕も忘れてはいけないなと思っています。
たっくんのお母さんとして生きてきて、そばにいることで 命の大切はもちろん、我が子の可愛さは永遠だなあとつくづく感じています。
世の中にはさまざまな病気があります。もっと大変なご病気の方もいらっしゃいます。日々、見つめるのは上でも下でもなく、過去でも未来でもなく「今」をしっかり感じることを大切にしたいと思います。
活動を通して
障害児の母として、強く感じることは「すいません」とついつい沢山言ってしまうと言うこと。
でもこの「すいません」て、うちの子が迷惑かけて「すいません」、私が迷惑かけて「すいません」って言う意味にどうしてもなってしまう。捉える側もそう思ってしまうと考えました。
だからなるべく「ありがとう」と言うようにしていて。そうすると、私の大切なたっくんのために道を開けてくれて「ありがとう」、優しくしてくれて「ありがとう」、ありがとうは優しい気持ちになれるし言われた側もありがとうの方が嬉しいんじゃないかって。。
私たちの活動を通して、もっともっと私たちも「ありがとう」が言えるような活動を。
そして「ありがとう」が溢れる社会を作っていきたいと思います。